2021.1.9

Twitterで近所の迷子犬が遠くで目撃されたと目にしてレンタカーを40分程走らせた。

飼い主が拠点として探しているだろう神社に車を停めて僕たちも少し散策する。


神社の奥の茂みから人が出てくる。手にはライトを持って焦っているように四方八方に光を照らす。

連れ合いがこの人が飼い主かもと声を掛けようとしたが僕の中で何か危険な匂いがしたので身構えてなるべく目を合わせないようにする。その人はくそ!って言いながら焦点をどこにも合わせないまま神社を足早に去っていった。


帰ろうかと車に戻ると横に停まっていた車に持ち主であろう人が帰ってきた。

なんとなくこの人が飼い主かなと思い声を掛けるとそのようで、わざわざありがとうとお礼とポスティング用のチラシをくれた。

今日は見つけられなかったけれど本当に1秒でも早く出会ってほしい。


ところで茂みの中をズカズカと動き回る彼はなんだったのだろうか。

賽銭箱付近の豪華さと明るさから一転したあの暗闇で何を血眼になって求めていたのか。

突然夢が現実に差し込まれたような数秒だった。